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活動内容

1. サービス工学研究会とは

 サービス工学研究会は、サービス工学の基礎を確立することを目標とし、現代社会におけるサービスの在り方と、その設計方法を調査研究するための産学連携研究組織として2002年2月に設立されました。そして2002年2月〜2005年3月の第1期、2005年4月〜2008年7月の第2期の活動成果の重要 性を踏まえ、2008年10月より新たに第3期の活動を開始することと致しました。製品のサービス化、サービスの生産性向上が社会における必達の課題となった今、本研究会の活動内容は、我が国の産業において最も競争的な分野における明快なソリューションを与えるものであると言われています。

 第3期サービス工学研究会では、サービス工学の発展とその成果の産業界における一層の活用を目標とし、具体的にはサービス成功事例の解析、新規サービスの創出、既存サービスの改善、そしてそれらの活動に使用する道具立ての継続的開発を、研究会会員相互の協力のもとで推進します。この機会にぜひともサービス工学研究会に参加され、貴社事業分野の高付加価値化、サービス生産性の向上をともに実現致しましょう。

2. 設立の背景(第1期設立趣意書より)

 21世紀の我が国の重要な課題の一つが製造業のサービス・プロバイダ化であると予想されている。これは、大きく三つの理由に因る。

 第一に、地球環境問題への関心が高まり、循環型社会形成推進促進法を始めとして、リサイクル促進法、各種リサイクル関連法、グリーン購入法などが整備されたことがある。これによって、Reduce、Reuse、Recycleの3Rに代表される、さまざまな人工物のライフサイクルの閉ループ化、そして脱物質化の手法が必要とされるようになってきた。この一つとして、人工物ライフサイクル全体の中で、知識やサービスのコンテンツを増大し,脱物質的に要求充足を実現することが有効な手段として考えられている。

 第二に、10年来続く平成不況、また生産の海外移転、デフレ傾向による更なる低価格化の結果、産業構造改革が叫ばれている。そのために、真に必要となる付加価値の増大法の一つとして知識とサービスが考えられている。すなわち、生産の単純な海外移転による際限なき低価格化を指向するのではなく、物質・エネルギー集約型で生産中心型の産業構造・企業経営から、知識・サービス集約型で設計開発中心型の産業構造・企業経営が求められている。

 第三に、社会の成熟に伴って産業構造・経済構造が第2次産業中心から第3次産業中心にシフトすることは不可避であり、自ずとサービスの広範な範囲への拡大が必要となっている。ここ30年来、我が国のGDPに占める第2次産業の割合は徐々に低下し、第3次産業の占める比率が拡大してきた。しかし、我が国の第3次産業の国際競争力、生産性は相対的に劣ることが指摘されている。これは多くのサービス産業が規制産業であり、価格のみならずサービス内容そのものも規制されてきたが、故にイノベーションの入る余地がなかったためであろう。また、一方で、製造業ではそのずばぬけた国際競争力ゆえに人工物の生産への過剰な偏重が起きており、その結果、逆に知識やサービスへのシフトが伝統的に無視され遅々とし進んでいない。例えばソフトウェアに対する正当な対価を支払わない慣習や、知識・サービスの提供産業であるべき産業の実態が人材派遣業であることなどは、このことの反映でもあろう。すなわち、第2次産業においても第3 次産業においてもサービスが軽視されてきたのが、我が国の実態である。ちろん、現実の産業構造が100%、サービス産業化することはあり得ない。しかし、強力な第2次産業のためには、サービスインフラを提供する強力な第3次産業の存在が必要なのであり、また例えばIT技術に見るまでもなく強力な3次産業のための人工物インフラを提供する第2次産業という意味で、逆も真である。そのためにサービスの強化が現在以上に重要となる。

 以上のようにサービスが今後の我が国の産業構造、経済構造を考える上で大変、重要な概念になることが予想されている一方、学問的にはサービスは伝統的に主としてマーケティング理論の範囲で扱われるに留まり、経済学の主要な対象ですらなかった。工学も交通、都市計画などの範囲でサービスを扱っては来たが、サービスを生み出すシステムの構造や機能にその関心は留まってきた。いかにも工学的であるといえる「サービス設計」、「サービス生産」、「サービス開発」という概念は、少なくとも工学の中では議論されてこなかったのである。このことは、サービスのその本質が活動あるいは行為であって、工学が伝統的に扱ってきたシステムや人工物の機能、挙動や構造といった側面とはかけ離れていることにも起因している。

 だが、サービスは本来、工学的手法によっても扱われるべきである。その理由は、一つにはサービスにも人工物と同様に「設計」、「生産」、「開発」という活動が認められること、二つ目にある目的を達成するのにサービスと製品の両面がある時、その両者の間の境界が徐々に薄くなってきたこともある。従前にもましてサービスを活発化するためにも、工学的手法が必要なのであり、それゆえ「サービス工学」が必要となる。

3. 設置期間

2008年10月より3年間。

4. 組織

代表: 首都大学東京大学院 システムデザイン研究科 教授 下村芳樹
幹事: 東京大学大学院 工学系研究科 教授 新井民夫(前・東京大学人工物研究センター センター長)

学術委員数名。 企業委員:10-15社程度。